1. 長期的な減少傾向
日本のパチンコホールは、1995年にピークの18,244店舗を記録しましたが、その後は一貫して減少が続いています。2020年12月には9,035店舗となり、ピーク時の約半分まで縮小。これは遊技機に関する規制強化、依存対策、社会的批判の高まりに加え、ライバルレジャーの拡大などが影響した結果です。
2. コロナ禍による加速
2020年以降、COVID‑19による休業要請や営業自粛が直撃し、2020年末時点で8,302~9,035店舗の間に減少していたのが、2021年末には8,458店舗へとさらに落ち込みました。続く2022年末には7,665店舗と、前年からさらに793店舗(‐9.4%)の大幅な減少を記録。
3. 新規則機導入と“スマート機”による反転兆し
2018年に始まった旧規則機から新規則機への切替え圧力も影響し、特に2022年1月末を期限に多くの店舗が閉店。2022年の減少数は774店舗に達し、2021年639店舗を超えました。
しかし2022年11月以降、“スマートスロット(スマスロ)”・“スマートパチンコ(スマパチ)”導入により、稼働改善の兆しが見え始めます。電子メダル化によって若年層の来店が増加し、新店舗出店も増加傾向。2023年には新規出店116店舗に達し、3年ぶりに100店舗超となりました。
4. 最新データ:2023〜2024年
- 2023年末:ホール数は7,083店舗
- 2024年末:警察庁データにより6,706店舗と、前年より377店舗の減少(パチスロ専門店は増加)
台数は2020年代前半から減少が続き、2024年末時点で総設置台数は약332.6万台(パチンコ197万台、パチスロ136万台)。1店舗あたりの平均設置台数は484〜496台へと拡大し、大型化が進んでいます
5. 今後の展望
今後の予測では、2028年にはさらに6,706→5,900店舗まで縮小するとの見方もあり、1店舗あたりの平均設置台数は増加し続けると見込まれています。
一方、法人数ベースでは2024年に1,201法人と、2015年比で54%減少。M&Aや廃業が進む中、総売上高はスマート機導入によって11兆7,133億円へと増加、黒字経営企業の比率も約64%まで回復しましたが、中小ホールを中心に厳しい状況が継続しています。
結論
- 1995年:18,244店舗(ピーク)
- 2020年:9,035店舗(ピークの約半減)
- 2022年末:7,665店舗(前年比−793店舗)
- 2023年末:7,083店舗(−582店舗)
- 2024年末:6,706店舗(−377店舗)
パチンコホール数は30年間で約6割減と激しく縮小した一方、スマート遊技機の普及を受けて「大型化」と「収益力強化」に転換しつつあります。引き続き、規制強化や市場競争、依存対策など、業界を取り巻く環境は厳しく、再生へ向けた戦略が急務です。